GSのストラテジストが欧州とアジア株を推奨、米株は割高

christmas tree near white concrete building on wall street

ゴールドマンのコスティン氏、割高な米株より欧州とアジアが「買い」

参照記事:記事リンク

2023年2月1日、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックス・グループの米国株チーフストラテジストであるデービッド・コスティン氏が、米国株よりも欧州とアジアの株式が今後の投資先として優れた選択肢であるとの見方を示しました。

コスティン氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューの中で、今年は米国企業利益が減少すると予想されていることから、米国株に投資するよりも、欧州とアジアの株式が良いと述べました。利益率の低下がその原因であると説明しました。

さらに、コスティン氏は米国株の水準が歴史的に見て85パーセンタイルに達しており、割高だとの分析も示しました。S&P500種株価指数についても、4000前後で年末を迎える公算が大きいと指摘しています。

一方、欧州とアジアの株式はより良好なリターンの機会を提示していると述べ、特に欧州の株価収益率(PER)が約12倍であることを強調しました。バリュエーション(株価評価)の観点から見て、欧州とアジアが投資先として魅力的であることを示唆しています。

最近の株式市場は不安定な時期が続いていますが、コスティン氏の見解は、投資家にとって興味深いものとなっています。米国企業の利益率の低下が予想される中、欧州とアジアの株式市場が良好なリターンをもたらす可能性が高いため、投資家たちは今後の動向に注目していることでしょう。

2023年7月7日 記事更新

ウォール街の予測が外れ、株式市場が大きく反発

参考記事:ゴールドマンのコスティン氏、割高な米株より欧州とアジアが「買い」 – Bloomberg

2023年の上半期は、ウォール街の予測家たちにとって苦い思い出となった。彼らは、米国の景気減速やインフレ懸念、金融政策の引き締めなどの悪材料に注目し、株式市場の下落を予想していた。しかし、実際には、株式市場は大きく反発し、S&P 500指数は年初から15%以上上昇した。この結果、ウォール街の予測は大きく外れることとなった。

株式市場の上昇を支えた要因はいくつかある。まず、米国のワクチン接種率が高まり、新型コロナウイルスの感染拡大が抑えられたことで、経済活動が回復した。次に、バイデン政権が打ち出した巨額のインフラ投資計画や社会保障拡充計画などの財政刺激策が、成長期待を高めた。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が、インフレ圧力を一時的なものと見なし、金融政策の引き締めを慎重に進める姿勢を示したことで、市場の不安が和らいだ。

これらの要因により、株式市場では特に景気敏感なセクターが好調だった。エネルギー、素材、工業などのサイクリカルセクターがS&P 500指数を上回るパフォーマンスを示した。一方で、テクノロジーやヘルスケアなどの成長セクターは相対的に低調だった。しかし、下期に入ってからは、成長セクターにも買い戻しが入り始めている。

株式市場へ慎重な姿勢を崩さないウォール街

下期に向けては、ウォール街の予測家たちは慎重な姿勢を崩していない。彼らは、株式市場の上昇余地は限られており、引き続きリスク要因に注意する必要があると警告している。特に、インフレ圧力が持続する可能性やFRBの金融政策の変化に対する市場の反応などが懸念されている。また、新型コロナウイルスの変異株や地政学的な緊張も不確実性を高めている。

しかし、株式市場はこれまでウォール街の予測を覆してきたことを忘れてはならない。上半期に見せた強さが下半期にも続くかどうかは分からないが、株式市場は常にサプライズを起こす可能性があることを示している。

関連記事

ネコまま週刊レポート(2023/2/20-2/24)