来週の経済界要人発言と注目のイベントで何が起きる?

激しいインフレに見舞われている世界各国において、現在重要なのは政策当局者の発言です。インフレ下において抑制策として特に重要視されている利上げに関して、特に中央銀行当局者の発言は、通常の相場環境に比べ何倍もの重みがあります。

来週の要人発言や、イベントを見直し、今後の方針にお役だください。

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2/13 終日 ユーログループ会合 (Eurogroup Meeting)

2/13にはユーログループ会合が終日開催されます。ユーログループとは、ユーロ圏の財務相や欧州中央銀行(ECB)の代表者などで構成される非公式な組織で、ユーロ圏の経済政策や財政規律などについて協議します。

今回の会合では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済危機への対応や、欧州復興基金の実施状況などが議題になると見られます。ユーログループ会合の結果は、ユーロや欧州株式市場に影響を与える可能性があります。

2/13 22:00 連邦準備制度(FED)のボウマン理事による発言 (Federal Reserve System (Fed) Governor Bowman Speech)

ボウマン理事は、FEDの理事会の一員であり、連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持っています。FOMCとは、FEDが金融政策を決定するための最高意思決定機関です。

ボウマン理事は、米国の地方銀行やコミュニティバンクに関する専門家として知られており、金融政策や経済見通しについて発言することがあります。

ボウマン理事の発言は、ドルや米国債券市場に影響を与える可能性があります。

2/14 終日 経済財政協議会 (Economic and Financial Affairs Council Meeting)

経済財政協議会とは、欧州連合(EU)の財務相や欧州委員会(EC)の代表者などで構成される公式な組織で、EUの経済政策や財政政策などについて協議します。

今回の協議会では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済危機への対応や、欧州復興基金の実施状況などが議題になると見られます。経済財政協議会の結果は、ユーロや欧州株式市場に影響を与える可能性があります。

2/15 4:05 連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーWilliams氏の発言 (Federal Open Market Committee (FOMC) Member Williams Speech)

Williams氏は、ニューヨーク連邦準備銀行(NY Fed)の総裁であり、FOMCの副議長でもあります。NY Fedは、FEDの中でも最も影響力が高いとされる地区銀行であり、FOMCの常任委員でもあります。

Williams氏は、金融政策や経済見通しについて発言することがあります。Williams氏の発言は、ドルや米国債券市場に影響を与える可能性があります。

2/15 23:00 欧州中央銀行(ECB)ラガルド総裁スピーチ (European Central Bank (ECB) President Lagarde Speech)

ラガルド総裁は、先月の理事会で0.5%ポイントの大幅利上げを決定し、インフレとの戦いへの決意を示しました。しかし、その後の市場では、インフレ圧力が強まり、金利が上昇しました。特にエネルギー価格の高騰やロシアとウクライナの緊張が懸念されています。

このため、ラガルド総裁は、今後の金融政策の方向性や柔軟性について、市場の期待をどう誘導するかが重要になります。ラガルド総裁がインフレ見通しやリスク評価を上方修正し、さらなる利上げの可能性を示唆すれば、ユーロ高や株安につながる可能性があります。

一方で、インフレ圧力が一時的であると強調し、利上げペースを緩やかにすることを示唆すれば、ユーロ安や株高につながる可能性があります。

2/16 18:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告 (European Central Bank (ECB) Economic Bulletin)

この報告は、毎月発表されるECBスタッフによるユーロ圏の経済分析や予測をまとめたものです。今回の報告では、パンデミックの感染拡大やワクチン接種の遅れなどにより、第1四半期の経済成長が抑制されることが予想されます。

しかし、政策支援や供給制約の緩和などにより、年内には再び力強い回復が見込まれます。インフレ率は、エネルギー価格やボトルネックなどの一時的な要因により、年内には大幅に上昇することが予想されますが、中期的には目標水準に近づくことが予想されされます。

この報告は、ECBの金融政策の基礎となるものであり、市場の注目度が高いです。報告が経済見通しやインフレ見通しを上方修正すれば、ECBの利上げ観測が強まり、ユーロ高や株安につながる可能性があります。

一方で、報告が経済見通しやインフレ見通しを下方修正すれば、ECBの利上げ観測が後退し、ユーロ安や株高につながる可能性があります。

2/16 18:05 欧州中央銀行(ECB)のPanetta監督委員による講演 (European Central Bank (ECB) Executive Board Member Panetta Speech)

Panetta監督委員は、ECB理事会の中でも比較的金融緩和派とされており、インフレ圧力に対しても慎重な姿勢を示しています。Panetta監督委員は、先月の理事会での利上げ決定に賛成したとされていますが、その理由は、市場の信頼性を維持するためだったとされています。

Panetta監督委員は、今回の講演で、インフレ圧力が一時的であると強調し、利上げペースを緩やかにすることを主張する可能性があります。この場合、ユーロ安や株高につながる可能性があります。

一方で、Panetta監督委員がインフレ圧力を重視し、利上げペースを加速することを支持する発言をすれば、ユーロ高や株安につながる可能性があります。

要人発言予定リンク(みんかぶ:要人発言)

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