ネコまま米国株週刊レポート(2023/2/20-2/24)

 株価動向

S&P500週間ヒートマップ

大型株パフォーマンス

ベストパフォーマンス銘柄

ワーストパフォーマンス銘柄

 経済指標

マークイットPMI

マークイットPMIに関してはこちらの記事(クリック☞2023年2月21日 米国マークイットPMIの結果と米国株式市場への影響)で詳細を書いています。

  •   総合PMIは50.2に上昇-8カ月ぶり高水準
      2月のサービス業PMIが昨年6月以来の活動拡大を示したことが大きい。
  •   製造業PMIは景況判断の境目の50を割り込んでいる
      製造業の景況感は芳しくない状態が続いている。
  •   総合指数の雇用サブ指数は5カ月ぶりの水準に上昇

労働市場の逼迫(ひっぱく)を背景に、インフレ押し上げの要因が賃金にシフトしたことを今回の調査データは浮き彫りにしています。

マークイットPMIから推測される株式市場参加者のセンチメントは、インフレ押し上げもしくは停滞による、3月FOMC金利政策が「さらに高く、さらに長く」へ転換する』不安がしばらく続くと予想されます。

住宅関係指数

今週は住宅関係の指数発表もありました。こちらの記事(クリック☞米国住宅市場の低迷が鮮明に📉)で詳細を書いています。


住宅ローン金利は公開市場の長期債によって決定されますが、これらの債券のトレーダーはFRBの利上げ/利下げの見通しに頻繁に影響されます。FOMC議事録から今後の動静について決定的なヒントは得られませんでした。したがって住宅セクターの株価に関しては、インフレの鎮静化が進まない限り、上向きになることはないだろうと考えています。

国内総生産GDP Q4

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

2.7%

3.2%

2022年に入り2期連続のマイナスのあと、何とか持ち直し、現在年率換算で2.7%、3.2%と持ち直し。国内総生産としてはソフトランディングの準備は整ってきていると思われます。

GDPデフレーター

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

3.9%

4.4%

予想コンセンサス3.5%に対し、3.9%の結果。インフレ圧力は依然強いことを示す結果。この上り坂が下り始めるのはいつかが注目されるところです。

PCE前月比とコアPCE前月比

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

0.6%

0.2%

総合PCEに関しては、前回もコンセンサスも大きく超える結果となりました。インフレ加速が再び始まったようにも見えます。2022年の0.6%~1.0%へ今後戻っていくことがないよう、FRBが行動に移す可能性を排除できません。

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

0.6%

0.4%

コアインフレについては、そもそも鈍化がみられず、ついに1年間ピークの0.6%に再び達っしました。労働市場の活況がここにきてインフレ抑制を阻害してきているのがよくわかります。

新規失業保険申請件数と失業保険申請件数

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

19.2万

19.5万

新規失業者に関しては労働市場の強固な状況を反映して、新規失業者は前月より減少傾向となりました。

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

165.4万

169.1万

新規失業者の減少と、雇用が進んでいることの相乗効果で、現在の失業者総数は大きく減少。インフレ抑制には逆効果となります。

個人所得前月比

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

0.6%

0.3%

個人所得は前月比で0.6%の上昇となり、ほぼPCEと同じとなりました。実質所得が変わっていないことを示しており、米国民の生活水準は前月から変化していないこととなります。

個人消費前月比

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結果

前回

1.8%

-0.1%

前月比で所得水準と物価水準が同程度で上昇した一方で、消費は非常に増えました。これがカード利用、延滞率増加につながっているのでしょう。
いずれにしてもインフレ抑制には逆効果です。

ミシガン大学の米国消費者信頼感指数

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

67.0

64.9

ミシガン大学消費者信頼感指数は、米国の消費者が現在および将来の経済状況の相対的な水準をどのように推定するかを示しています。
数値が高くなっていますが、コロナ渦が収束し、消費及び雇用に対してかなり自信のある表れを示していると推測しています。

ミシガン大学1年先期待インフレと5年先期待インフレ

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結果

前回

4.1%

3.9%

ミシガン大学インフレ期待はこれまで下降をしていましたが、ここにきて3.9%から4.1%へ上昇へ反転。消費者もインフレに対してより重く受け止めるように変わってきています。しかしそれに反し消費活動は前述の通り増加に転じています。

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source: tradingeconomics.com

結果

前回

2.9%

2.9%

ミシガン大学5年先インフレ期待は大きな変化はありません。

 要人発言

クリーブランド連銀メイスター総裁

米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は25日、「インフレは依然上向きに傾いている」とし、「5%を幾分超えた水準に達するべき」との見解を示した。また労働市場が堅調なため、政策のアンダーシュートや、時期尚早の緩和コストは、オーバーシュート(つまり金利の行きすぎ)のコストを以前上回っているとの考えを述べた。
メスター総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていないが、次回の会合での利上げ幅に関しては予断を許さないと述べた。

セントルイス連銀のブラード総裁

米セントルイス連銀のブラード総裁は、米国経済は考えていたよりも強い。金利は5%を上回る必要があるだろうと述べ、自身の予想を5.375%に達するとした。
今後の経済に関しては、緩やかな成長減速、インフレ率は低下すると予想。リスクはインフレ率が低下しない、もしくは加速することとした。もし、インフレが低下しなければ、行動を起こす必要が出てくる。だからこそ、今のうちに手を打って年内にインフレを抑え込む必要があると説明。
さらに米国は軟着陸が可能と考えており、現在は信頼できるディスインフレに該当する可能性がある。一方でインフレ期待は現在、2021年のインフレ上昇前の水準に近いとも述べた。

イエレン財務長官はソフトランディングは可能性の結果の一つであり、インフレ抑制のためにやるべきことはあると発言。
米労働市場は強く、経済は良好、インフレは鈍化しつつあり、一段の鈍化が見込まれると私見を述べた。

ジェファーソン理事は「賃金の伸びは依然として高すぎる。持続可能な2%のインフレへの復帰へと一致していない。」「労働力の需要と供給の不均衡が続いていることは、高インフレが緩やかにしか低下しない可能性があることを示唆している」と述べた。
また「政策立案者はリアルタイムにデータを注意深く精査し、経済モデルからの調査結果を補完する必要がある」とも述べた。

米ボストン連銀のコリンズ総裁は「高すぎるインフレに対処するため、さらなる利上げが必要である」とし「金利を引き上げ、水準を長期間持続する可能性もある」と発言。
最近の米経済指標は追加利上げの根拠となる」とタカ的な発言も出た。
一方で「FRBがインフレを低下させソフトランディングを達成できると楽観的」とも述べ、「経済への悪影響を含め、多くのリスクがあることを認識している」と慎重な姿勢も見せた。

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