ネコまま週刊レポート(2023/3/6-3/10)
3/6~3/10までの米国株式市場を経済指標、株価動向、要人発言などを交えて振り返りますにゃ😺
株価動向
米国株価3指数の今週の動き
緑:Dow / 赤:S&P500 / 青:Nasdaq

大型株パフォーマンスについて
DJI
前回底値は2022年12月中旬。DJIに関してはすでに前回底値を割っており、次の節目は2022年10月につけた底値になります。
SP500とNasdaq
前回底値は2022年12月下旬。SP500に関しては早ければ1-2週間で底値に到達。時期的にちょうどFOMC次第の状況です。Nasdaqに関してはここ2ヶ月強でかなり上昇をしており、下落もきついです。昨年10月から高値も安値も大きくなっていく形のチャートで、ボラティリティはどんどん大きくなっています。
運悪くSVB破綻が発生し、またCPI、FOMCも控える状況です。今からの買いポジション取りはかなりリスクが大きいです。少なくともSVBの影響先が特定され、小さいと確定するまでは動くべきではありません。
SVBの経営破綻に関してはこちらを参照👉今話題のSVB傘下銀行シリコンバレー銀行の経営破綻
S&P500週間ヒートマップ

ETF週間ヒートマップ

大型株パフォーマンス

ベストパフォーマンス銘柄

ワーストパフォーマンス銘柄

全世界ヒートマップ

今週は世界的な株安状態でした。世界的な緩和、世界的な債務、世界的なインフレが起こっている状況では逃げ場所もありませんね😅
経済指標
工場新規受注前月比
結果
前回
-1.6%
1.7%
製造業の新規受注は2月で大きくマイナスに振れました。12月もマイナスで、いよいよ製造業にも影響が出てきた可能性を示唆しています。
ADP雇用変化
結果
前回
242k
119k
引き続きプラス圏で推移しており、雇用は強いです。マイナス圏に入ることで、雇用より解雇が多いことになりますが、少なくともマイナス圏に入ることが、インフレ抑制に寄与する条件です。
JOLTs求人数
結果
前回
10824k
11234k
現状の10M人の求人は未だかなりの高水準です。8M~9Mの求人がコロナ前の水準です。
非農業部門雇用者数
結果
前回
311k
504k
新規雇用者に関しては大幅減となった。インフレ抑制に対しては良い兆候です。ただこれを大きく超える求人がありますので、また増える可能性は大きいといえます。
新規失業保険申請件数
結果
前回
211k
190k
ここ1年減少傾向。今回上昇しましたが、減少傾向に戻るのか、上昇に転じるのか要注目です。
失業保険申請件数
結果
前回
1718k
1649k
失業者に関しては上昇傾向です。1年間グラフ見るとこの傾向が続いているように見えます。
失業率
結果
前回
3.6%
3.4%
失業保険申請件数の蔵画に伴い、失業率も増加。また別の要因として下記の労働参加率の上昇も影響しています。
労働参加率
結果
前回
62.5%
62.4%
米国民も物価の上昇で家庭内預金の減少とカード利用が多くなり、労働に復帰する人材が増えています。
時間当たり賃金前月比
結果
前回
0.2%
0.3%
給与上昇率も0.1%ダウンしました。ここ1年で初の0.1%です。ただこれは前月比です。上昇していることに間違いはありません。CPIと比較して微々たるものなので、国民の生活は苦しくなっているでしょう。
今週の雇用関係の統計は、インフレ抑制効果が出始めたかもしれないという淡い希望の持てる内容でした。来月再確認は必要かと思います。今月FOMCがあります。今回はドットチャートも更新されますが、FOMCメンバーにとっては難しい判断を迫られるでしょう。さらにSVBの破綻もあり、この破綻自体は利上げ要因と言うより、SVBの戦略上のミスの部分が大きいので、構造的な破綻としては捉えないと考えています。ただし、この破綻による影響を見極める必要があることを考慮すれば、0.25%の利上げが妥当との方向性で決まりそうに思います。
要人発言

こちらをご参考に 上下院議会証言👉詳しくは
・現状のインフレについて利上げの効果がまだ完全に出ておらず、以前インフレは高い水準にあるとし、今週の雇用指標、来週の物価指数を待つ必要があるが、FRBが想定したよりも更に高い水準への利上げの可能性を強く示唆させるタカ派の発言が多かった。
・インフレが緩和されない要因として、主に『労働市場の逼迫』『コアサービス市場のインフレ』の2つを強く言及した。
・中央銀行の2つの義務「雇用の安定」「物価の安定」に関して、インフレ抑制のため2つを成り立たせることは難しくなる可能性について言及をした。現時点では物価の安定のためインフレ抑制を優先せざるをえないということ。

高インフレは米金融当局が引き続き仕事しなければならないこと意味する
労働市場は信じられないほど力強い