日米とオランダが合意、半導体製造装置の対中輸出規制~半導体関連株への影響は?~

参考記事:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-27/RP5QX2T0G1KW01

バイデン大統領

半導体製造の主要サプライヤーである日本の東京エレクトロン、日本のニコン、オランダのASMLは、米国主導の輸出制限に従い、一部の先端半導体製造装置を中国に販売できなくなる可能性があります。

事情に詳しい複数の関係者によると、日米オランダの3カ国は、先端半導体製造装置の一部の対中輸出制限で合意した。関係者によると、合意はワシントンで2日間にわたって行われた協議の結果であり、27日に妥結した。

合意により、バイデン政権が昨年10月に発表した半導体・半導体製造装置の対中輸出規制は、主要サプライヤーである東京エレクトロン、ニコン、ASMLを擁する日本とオランダを加えた多国間の枠組みに拡大する。

関係者によると、合意は公表されない予定であり、日本とオランダが法整備を完了するまで数か月かかる可能性がある。

オランダのマルク・ルッテ首相は27日、協議について質問された際、「すでに長い間話し合いを続けているが、この件については何も明らかにするつもりはない。何らかの成果が出たとしても、公表するかどうかはわからない」と述べた。

オランダ政府は、ASMLによる少なくとも一部のエッチング装置と深紫外線露光装置の対中輸出を禁止する方向で、日本政府も同様の制限をニコンに課す方向で調整している。

ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の報道官は、コメントの要請に応じなかった。オランダの貿易省の報道官もコメントを控えた。

今回の合意は、中国の軍事的躍進を阻止したいバイデン政権にとって勝利と言えるが、ASMLのピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)は25日、米国主導の対中輸出規制は意図せぬ結果を招き、中国による独自の技術開発につながりかねないと警告した。

ウェニンクCEOは、ロイター通信とのインタビューで、「中国が独自の技術を開発する可能性は十分にある」と述べ、「中国は非常に賢い国で、常に新しい方法を模索している。輸出規制が中国の技術開発を阻止できるかどうかはわからない」と述べた。

関係筋によると、日本とオランダは、輸出制限の対象となる装置のリストについてまだ調整を続けている。また、制限の実施時期についてもまだ決まっていない。

輸出制限は、中国の半導体製造能力の拡大を阻止し、米国とその同盟国が技術優位性を維持するための措置とみられている。

中国は近年、半導体製造能力の拡大に力を入れており、2025年までに世界の半導体製造能力の10%を占める目標を掲げている。しかし、中国は先端半導体製造技術の開発で遅れをとっており、輸出制限は中国の技術開発をさらに遅らせる可能性がある。

一方、輸出制限は、半導体製造装置の主要サプライヤーである東京エレクトロン、ニコン、ASMLの業績にマイナスの影響を与える可能性がある。これらの企業は中国市場からの売上高が大きく、輸出制限により売上が減少する可能性がある。

また、輸出制限は半導体価格の上昇につながる可能性がある。中国は半導体の主要な需要国であり、輸出制限により中国の半導体需要が減少すると、半導体価格が上昇する可能性がある。

投資家は、輸出制限の影響に注意し、半導体関連の企業への投資を慎重に検討する必要があります。