米国経済 利上げとリセッションへの懸念、投資家はどう対処すべきか

an illuminated light text box

アトランタ連邦準備銀行のボスティック総裁は、インフレがFRBの2%の目標に向かって着実に回帰し、0.25%ポイントの利上げを1回行うだけで、現行の引き締めを終了できるとの見通しを示しました。最近の物価統計も、インフレが2%に向かっていることを裏付けています。5月2-3日のFOMCでは、0.25%の利上げが予想されています。

ボスティック総裁は、昨年以降の利上げが徐々に経済への影響を現し始めていることを指摘し、さらに1回の利上げ後は、経済・物価動向を研究しながら成長・雇用への打撃を最小限に抑えるための休止が適切だと主張しました。

しかし、米国経済がリセッションの恐れがあるため、バンク・オブ・アメリカのマイケル・ハートネット氏は投資家に対し、米国株を敬遠するよう提案しています。特に、規制当局からの監視強化や金利上昇による圧力に直面する可能性のあるテクノロジー株については、投資家が米国のテクノロジー株への投資を引き揚げていることが報告されています。

ハートネット氏は、リセッション懸念が米国株からの資金流出を促進し、投資家が米国外の株式を選好すると見込んでいます。欧州、日本、新興市場の銀行株など、経済成長と連動する割安な銘柄が、割高な米国の成長株に対して優位に立つと予測されています。

今回の決算発表シーズンでは、企業が銀行システムのストレス、金利上昇、需要の減退などの逆風にどのように対処したかが注目されます。ハートネット氏は、先行指標が予想を上回る利益低迷を示唆しており、クレジットと株式投資による中期的な最大リターンは3-4%と予想され、S&P 500指数の4100-4200の水準で売ることを勧めています。

最近のデータによると、世界の株式ファンドには39億ドルが流入し、米国株は49億ドルの流入を記録しましたが、欧州株では11億ドルの流出が観察されました。また、米国債ファンドには22億ドルが流入し、年初来の流入額は650億ドルに達しました。

結論として、米国経済において利上げが物価に安定をもたらす一方で、リセッションの懸念が投資家に影響を与えています。この状況下で、投資家は米国株を敬遠し、米国外の株式に目を向けるべきだという意見が出ています。特に、割安で経済成長に連動する欧州、日本、新興市場の銀行株が、割高な米国の成長株に対してアウトパフォームする可能性があります。

このような状況を考慮して、投資家は自身のポートフォリオを再評価し、適切なリスク管理を実施することが重要です。米国経済がリセッションに入る可能性が高まる中、資産の多様化や地域別の投資を検討することで、リスクを分散させることができます。

あまり考えたくありませんが、米国だけのインデックス指数投資に関しては、これから数年厳しい時代を迎える可能性があります。世界的にもGDPに占める負債は上昇傾向にありますが、米国は特にコロナ渦での財政出動、低金利、QEが大きかったので、その歪を感じざるを得ません。

参考記事:FRB1回利上げで停止可能、物価に落ち着き=アトランタ連銀総裁 | ロイター (reuters.com)BofA’s Hartnett Prefers Global Stocks to Tech-Heavy US Market – Bloomberg

関連記事

速報 注目経済指標:失業率改善3.5%(コンセンサス3.6%) | ネコまま@リテラシーの負けない資産運用・株式投資 (nekomama.jp)

今話題のSVB傘下銀行シリコンバレー銀行の経営破綻 | ネコまま@リテラシーの負けない資産運用・株式投資 (nekomama.jp)