米国マクロ経済指標10選: 株式投資成功のカギ!マクロ経済指標ガイド

株式投資を成功させるためには、経済指標を理解し、市場の動向を見抜く力が欠かせません。この記事では、米国経済指標10選を紹介し、それぞれの指標がどのように株式市場に影響を与えるのかを解説します。これらの指標をマスターし、市場の変化に対応した、効果的な投資戦略を立てましょう。

main picture

1.GDP(国内総生産)

GDPは、国の経済活動全体を示す指標で、一定期間内に国内で生産された財やサービスの市場価値を示します。米国のGDPが高いほど、経済が活発であり、株価にもプラスの影響が期待できます。GDPの伸び率が高い場合、企業の業績が向上し、投資家の期待感が高まり、株価が上昇することが一般的です。ただし、GDPの伸び率が高すぎるとインフレ圧力がかかり、株価に悪影響を与える場合もあります。GDPは、米国商務省が毎四半期に発表します。

2.雇用統計

雇用統計は、非農業部門の雇用者数を示し、米国の労働市場の健全さを測る重要な指標です。雇用者数が増えると、消費が活発化し、株価にプラスの影響が出ることが一般的です。逆に雇用者数が減少すると、消費が低迷し、株価にマイナスの影響が出ることがあります。また、失業率も雇用統計の一部で、失業率が低下すると、賃金上昇圧力が高まり、インフレを招く可能性があります。これも株価に影響を与える要因のひとつです。雇用統計は、米国労働省が毎月発表します。

3.消費者物価指数(CPI)

CPIは、消費者が購入する商品・サービスの価格変動を示す指標で、インフレ率を測るために用いられます。CPIが上昇すると、物価が上昇していることを意味し、企業の収益が向上する可能性があります。ただし、CPIの上昇率が高すぎると、インフレが進行し、中央銀行が金利を引き上げる可能性が高まります。金利の上昇は、企業の資金調達コストが増加し、株価に悪影響を与えることがあります。CPIは、米国労働省が毎月発表します。

4.生産者物価指数(PPI)

PPIは、企業が購入する商品やサービスの価格変動を示す指標で、生産コストの変化を捉えることができます。PPIが上昇すると、企業の生産コストが増加し、その負担が消費者に転嫁されることがあります。これがCPIの上昇につながり、インフレ圧力が高まる可能性があります。PPIは、米国労働省が毎月発表します。

5.小売売上高

小売売上高は、消費者の支出動向を示す指標で、米国の消費活動を把握するために重要です。小売売上高が増加すると、消費が活発化し、企業の業績が向上し、株価にプラスの影響が出ることが一般的です。逆に小売売上高が減少すると、消費が低迷し、株価にマイナスの影響が出ることがあります。小売売上高は、米国商務省が毎月発表します。

6.新規失業保険申請件数

新規失業保険申請件数は、労働市場の動向を示す指標で、失業者数の増減を捉えることができます。新規失業保険申請件数が減少すると、労働市場の状況が改善していることを示し、消費が活発化することが期待されます。これが株価にプラスの影響を与えることが一般的です。逆に新規失業保険申請件数が増加すると、労働市場の悪化が懸念され、株価にマイナスの影響が出ることがあります。新規失業保険申請件数は、米国労働省が毎週発表します。

7.FOMC(連邦公開市場委員会)

FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)は、アメリカ合衆国の中央銀行である連邦準備制度(Federal Reserve System)の政策立案部門で、アメリカの金融政策を決定する最も重要な組織です。FOMCは、通常8回開催され、会合で金利を含む様々な金融政策が検討されます。FOMCが金利政策を決定する際には、経済成長率、失業率、インフレ率などの経済指標をもとに、アメリカ経済の現状や将来の見通しを評価します。金利政策の決定は、株式市場や為替市場に大きな影響を与えるため、投資家はFOMCの会合を注視しています。

金利政策が変更されると、企業の借入コストや消費者の貸付金利が影響を受け、経済活動全体に影響を与えます。金利が上昇すると、企業の利益が減少し、株価が下がる可能性があります。一方、金利が低下すると、企業の利益が増加し、株価が上がる可能性があります。

8.貿易収支

貿易収支は、輸出と輸入の差額を示す指標で、国の経済状況や通貨の需給バランスに影響を与えます。貿易収支がプラス(黒字)であれば、輸出が輸入を上回っており、国内企業の収益が増加することが期待されます。これが株価にプラスの影響を与えることが一般的です。逆に貿易収支がマイナス(赤字)であれば、輸入が輸出を上回っており、国内企業の収益が減少することが懸念されます。これが株価にマイナスの影響を与えることがあります。また、貿易収支が大幅に悪化すると、通貨の価値が下落し、インフレ圧力が高まることがあるため、投資家はこの指標を注視しています。貿易収支は、米国商務省が毎月発表します。

9.ISM製造業景気指数

ISM製造業景気指数は、米国の製造業の景気状況を示す指標で、企業の生産活動を把握するために用いられます。指数が50以上である場合、製造業が拡大しているとされ、株価にプラスの影響が期待できます。逆に指数が50未満である場合、製造業が縮小しているとされ、株価にマイナスの影響が出ることがあります。ISM製造業景気指数は、米国供給管理協会が毎月発表します。

10.各種景況感指数

景況感指数は、消費者や企業の経済に対する見通しや信頼感を測る指標で、消費や投資の動向を予測するために用いられます。米国では、主に以下の4つの景況感指数があります。

a) 米消費者信頼感指数(Consumer Confidence Index)

米国会議所が毎月発表する消費者の信頼感を示す指数です。アンケート調査を通じて消費者の現在の経済状況に対する評価と、今後6ヶ月間の見通しを集計します。この指数が高くなると、消費者の買い物や大型購入の意欲が高まり、消費活動が活発化することが期待されます。これが株式市場にプラスの影響を与えることがあります。

b) 企業景況感指数(Business Confidence Index)

各業界団体が定期的に発表する企業の経済状況に対する信頼感を示す指数です。企業経営者や役員に対して行われるアンケート調査をもとに、企業の売上、利益、投資意欲、雇用状況などの評価が反映されています。企業景況感指数が高い場合、企業の業績が良く、株価にも好影響があるとされています。

c) ミシガン大消費者信頼感指数(Michigan Consumer Sentiment Index)

ミシガン大学が毎月発表する消費者の経済に対する信頼感を示す指数です。電話によるアンケート調査で、消費者の現在の経済状況と今後の経済見通しに関する情報が収集されます。米消費者信頼感指数と同様に、消費者の今後の消費行動に関連し、指数が高いと消費活動が活発化するとされます。

d) PMI(購買担当者景気指数)

製造業やサービス業を対象に、購買担当者の業務状況を示す指数です。新規受注、生産、雇用、在庫、納入遅れなどの項目に関するアンケート調査を行い、それらの情報を総合して算出されます。50以上の場合は、業界の景気が拡大しているとされ、50未満の場合は縮小しているとされます。米国では、ISM製造業景気指数とマークイットPMIがよく知られています。

ISM製造業景気指数は、アメリカの製造業の景気を示す指標で、Institute for Supply Management(ISM)が毎月発表します。一方、マークイットPMIは、IHS Markitが発表する製造業とサービス業の両方をカバーした指標で、より広範な産業の動向を把握できます。


これらの指標を把握し、市場の動向や企業の業績にどのような影響があるかを考慮することで、より効果的な投資判断が可能になります。また、これらの経済指標は相互に関連していることが多いため、複数の指標を総合的に分析することが重要です。

投資家にとって、経済指標は市場の動向を理解するための重要な手がかりとなります。これらの経済指標を適切に活用し、株式市場での投資を成功させましょう。また、経済指標以外にも、企業の業績や業界動向、国際情勢など、幅広い情報を収集することで、より正確な投資判断ができるようになります。

当ホームページのトップページにも経済指標カレンダーへのリンクや、マクロデータのページには発表後のグラフをご用意していますので、ご利用ください。

参考:TRADING ECONOMICS経済指標カレンダー:カレンダー – 国のリスト – 経済指標 (tradingeconomics.com)

関連記事

株式投資初心者必見‼ 失敗しないための12のコツ | ネコまま@リテラシーの負けない資産運用・株式投資 (nekomama.jp)

ネコまま週刊レポート(2023/3/6-3/10) | ネコまま@リテラシーの負けない資産運用・株式投資 (nekomama.jp)