速報!ユーロ圏CPIが1月は前年比+8.5%に鈍化

ユーロ圏のインフレ率は、1月に前年比8.5%上昇となりました。これは3カ月連続で伸びが鈍化したことを意味します。12月は9.2%、10月は過去最高の10.6%だったので、かなり落ち込んだと言えるでしょう。

しかし、この数字にはいくつかの注意点があります。まず、食品やエネルギーなどの変動が激しい要素を除いた基調インフレ率は、7%と前月とほぼ同水準でした。これは、加工食品や工業製品の価格が上昇した一方で、サービス価格の上昇率がやや鈍化したことを反映しています。

次に、統計の信頼性にも疑問があります。なぜなら、1月の統計にはユーロ圏最大の経済国であるドイツのデータが含まれていなかったからです。ドイツでは統計局のストライキの影響でデータが提供されませんでした。そのため、欧州連合(EU)統計局はモデルベースの推定を行わざるを得ませんでした。ドイツのインフレ率がどうなっているかによって、ユーロ圏全体のインフレ率も変わってくる可能性があります。

さらに、1月の統計は年初の価格改定の影響で変動が大きくなる傾向があるということも忘れてはいけません。特に、エネルギー価格や交通費などが値上げされることが多いです。これらの要素がインフレ率を押し上げる効果を持っています。

以上のことから、ユーロ圏のインフレ率は3カ月連続で鈍化したという事実だけを見て判断するのは早計だと言えるでしょう。実際に物価水準がどれだけ上昇しているかを感じるには、基調インフレ率やドイツのデータなども考慮する必要があります。また、年初の価格改定の影響も一時的なものかどうかを見極める必要があります。

参考記事:ユーロ圏CPI、3カ月連続で鈍化も基調は横ばい 独統計に遅れ | ロイター (reuters.com)

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