BP、過去最高の利益を発表 低炭素エネルギーへの転換を加速

[ネコまま@リテラシー]

現在エネルギー企業はやはり強いです。世界情勢も味方しているといえます。ロシアのウクライナ侵攻、中国経済の復活期待、力強い米経済、OPECと米国の不協和音。全てがエネルギー企業に有利に働いています。

英石油大手のBPは、2022年通年決算で過去最高の利益を達成したことを発表した。ロシアによるウクライナ侵攻以来のエネルギー価格の高騰が好影響を与えたほか、自社株買いや増配など株主還元策も強化した。一方で、石油・ガスから低炭素エネルギーへの事業転換を加速するために、再生可能エネルギーや低炭素バイオ燃料、水素などの開発に投資計画を拡大すると発表した。
2月7日英石油大手のBPが発表した2022年通年決算ではロシアによるウクライナ侵攻以来のエネルギー価格の高騰を背景に利益が280億ドルと過去最高を記録した写真はBPのロゴスイスクローテンで2017年10月撮影2023年 ロイターArnd Wiegmann

<過去最高の利益>

BPは2022年通年で、純利益に相当する実質ベースの再調達原価利益が276億ドルとなり、前年度の119億ドルから大幅に増加した。これは2008年以来の高水準であり、同社史上最高の利益となった。

特に第3・四半期は、エネルギー価格が急騰し、ガス取引事業が好調だったことで、82億ドルの利益を記録した。これは同社が発表した四半期決算で最高額だった。

第4・四半期は、ガス取引事業が低迷したことや、製油所のメンテナンスの増加、原油・ガス価格の下落が影響し、利益は48億ドルに減少した。しかし、これでも前年同期の40億ドルを上回った。

<株主還元策を強化>

BPは株主還元策として、配当を10%増やし、1株当たり6.610セントとした。これは2020年第1・四半期以来の水準である。

また、向こう3カ月で27億5000万ドル相当の自社株買いを行う計画も発表した。2022年には117億ドルの自社株を取得しており、これは同社が目標としていた額よりも多い。

BPは今後も自由キャッシュフローが増えるにつれて、株主還元策をさらに拡大するとしている。

<低炭素エネルギーへの転換を加速>

3年前に就任したバーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)は、BPの事業を石油・ガスから自然エネルギーや低炭素エネルギーに転換し、温室効果ガス排出削減計画を打ち出した。

7日の戦略説明では、低炭素バイオ燃料や水素などの開発に、今後5年間で100億ドル以上を投資すると発表した。これは、2020年に発表した投資計画の2倍以上に相当する。

BPは、再生可能エネルギーの発電能力を2030年までに50ギガワットに増やすという目標を掲げており、現在は約3.3ギガワットに達している。同社は、インドや米国などで太陽光発電や風力発電のプロジェクトを進めているほか、英国では世界最大級の水素製造プラントを建設する計画もある。

また、低炭素バイオ燃料については、ブラジルでサトウキビからエタノールを生産する事業を拡大するとともに、米国では廃食用油や廃棄物からディーゼル燃料を生産する事業に参入するとしている。

<エネルギー転換のリーダーを目指す>

BPは、自らの事業転換だけでなく、他の企業や政府とも協力して、エネルギー転換のリーダーとなることを目指している。

同社は、カーボンキャプチャー・アンド・ストレージ(CCS)やカーボンオフセットなどの技術やサービスを提供することで、他の企業の温室効果ガス排出削減に貢献するとしている。また、自動車メーカーや航空会社などとも提携して、電気自動車や低炭素航空燃料の普及を促進するとしている。

さらに、英国や米国などの政府とも協力して、気候変動対策の政策立案や実施に関与するとしている。同社は、2050年までに自社の温室効果ガス排出量をネットゼロにするという目標を掲げており、これは国際的なパリ協定に沿ったものである。

<まとめ>

BPは、過去最高の利益を達成し、株主還元策を強化した一方で、低炭素エネルギーへの事業転換を加速することで、エネルギー転換のリーダーを目指している。同社は、再生可能エネルギーや低炭素バイオ燃料、水素などの開発に投資計画を拡大し、他の企業や政府とも協力して気候変動対策に取り組んでいる。これらの取り組みは、同社が持続可能な成長を遂げるために不可欠なものである。

参考記事:ロイター記事リンクはこちら

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