
目 次
POINTこの記事から学べること:資産クラスとは?資産クラスを使いこなす方法
序章:「資産クラス」の基本理解
投資の世界に身を置くと、私たちはしばしば「資産クラス」なる言葉と出会います。しかし、「資産クラス」とは一体何なのでしょうか? それぞれの特性は何でしょうか? なぜ資産クラスを理解することが重要なのでしょうか? これらの疑問を解き明かすことで、あなたの投資戦略の幅は飛躍的に広がります。
資産クラスとは何か?
資産クラスとは、投資可能な資産の大まかなカテゴリーを指します。アセットクラスとも呼ばれます。それぞれの資産クラスは、特有のリスクとリターン、経済的な状況に対する反応、市場の動きなどにおいて異なる特性を持ちます。資産クラスの例としては、現金、外貨、金、日本株式、外国株、投資信託、ETF(上場投資信託)、国債、社債、不動産、REIT(不動産投資信託)、先物、仮想通貨、NFT(非代替性トークン)などがあります。これ以外にもあまり一般的ではないですが、絵画などの芸術作品、骨董品なども資産クラスといえます。
それぞれの資産クラスには長所と短所があり、また長期投資と短期投資、取引の方法も異なります。これらの詳細については後ほど触れます。
なぜ資産クラスを理解することが重要なのか?
資産クラスを理解することは、成功する投資戦略を作り上げるための鍵となります。資産クラスごとに異なるリスクとリターンを持つため、それぞれの特性を理解することで、自身のリスク許容度や投資目標に合った投資ポートフォリオを作ることが可能になります。
また、資産クラス間で価格の動きが完全に連動していないため、複数の資産クラスに分散投資することでポートフォリオ全体のリスクを減らすことができます。これは「リスク分散」または「ダイバーシフィケーション」と呼ばれる戦略です。資産クラスを使いこなすことができれば、投資家の皆さんのリターンとリスクは大幅に改善することができますので、ぜひこの機会に興味を持ってください。
各資産クラスのご紹介
① 現金
現金は、資産クラスの中でも最もリスクが低く安全なものです。銀行預金や財務省の国債などが含まれます。現金は市場変動の影響を受けにくく、即座に利用できるため、緊急時の流動性ニーズを満たすために保持されます。
② 外貨
外貨は、異なる通貨で保有される資産クラスです。主な外貨には米ドル、ユーロ、英ポンドなどがあります。外貨の保有は通貨リスクにさらされる可能性がありますが、通貨の価値変動によってリターンを得ることもできます。外貨は国際的な取引やヘッジの手段として活用されることもあります。
③ 現物:金
現物の金は、金の物理的な形態で所有もしくは証券会社等で購入できる金があります。金は古代から通貨として利用され、世界中で広く受け入れられてきました。現在ではインフレや経済の不確実性に対するヘッジとしての需要があります。金価格は市場の需要と供給に基づいて変動し、投資家にリターンをもたらす可能性があります。
④ 日本株式
日本株式は、日本の企業の株式を保有する資産クラスです。株式投資は企業の成長や配当を通じてリターンを得る機会を提供します。日本株式市場は日本経済の成長とともに変動する傾向があります。投資家は企業の業績やマーケットの動向を注意深く分析し、株式投資のリスクとリターンをよく検討する必要があります。
⑤ 外国株
外国株式は、国外の企業の株式を保有する資産クラスです。投資家は世界中の企業に分散投資することで、異なる国の経済成長や産業の好機を追求することができます。外国株式投資は為替リスクにさらされる可能性がありますが、グローバルな市場の変動によって多様なリターンを期待することができます。
⑥ 投資信託
投資信託は、複数の投資家の資金を集めて、専門のファンドマネージャーによって運用される資産クラスです。投資信託は様々な資産クラスに投資することができ、個別の投資家が直接資産を選ぶ必要はありません。投資信託はポートフォリオの分散化を容易にし、投資家に運用のプロフェッショナルな管理を提供します。
⑦ ETF
ETF(上場投資信託)は、株式市場で売買可能な投資信託です。ETFは特定の指数や資産クラスに連動するように設計されており、投資家は1つの取引で複数の資産を保有することができます。ETFは投資の透明性と流動性を提供し、個別の株式や債券に比べて手数料も低くなる傾向があります。
⑧ 補足:インデックス投資と個別株投資の違い
インデックス投資は、特定の市場指数に連動する投資方法です。投資家は指数を再現するために、対象となる銘柄をバランス良く保有します。一方、個別株投資は、個々の企業の株式を選んで保有する方法です。インデックス投資は市場全体のパフォーマンスに連動することができますが、個別株投資は企業の業績や運営により直接影響を受けます。
⑨ 国債
国債は、政府が発行する債券であり、投資家は政府に貸付ける形で債券を保有します。国債は安定した利息収入を提供し、比較的低いリスクを持つ資産クラスとして知られています。国債の利息は定期的に支払われ、元本は満期時に返済されます。政府の信用力によってリスクが評価され、信用度の高い国の国債は低い利回りで取引されます。一般的に、政府が信頼性の高い債務者であるとされるため、国債は安定性のある運用を求める投資家にとって魅力的な選択肢となります。
⑩ 社債
社債は、企業が発行する債券であり、投資家は企業に貸付ける形で債券を保有します。社債は企業の信用力や債務返済能力に基づいて評価され、利息収入を提供します。一般的に、社債は国債に比べてリスクが高いとされますが、それに応じて高い利回りを期待することもできます。
⑪ その他の債権
その他の債権には、地方債や企業債、特殊債などが含まれます。これらの債権は異なる発行体によって発行され、各々の特性やリスクを持っています。地方債は地方自治体が発行する債券であり、企業債は民間企業が発行する債券です。特殊債は特定の目的やプロジェクトに関連して発行される債券であり、インフラ整備や公共事業などに利用されることがあります。
⑫ 不動産
不動産は、土地や建物などの不動産資産を保有する資産クラスです。不動産は資産価値の保全やキャッシュフローの確保といった特徴があります。投資家は不動産を直接保有することもありますが、不動産投資信託(REIT)を通じて間接的に不動産に投資することもできます。
⑬ REIT
REIT(不動産投資信託)は、不動産に投資するために設計された投資信託です。投資家はREITに投資することで、不動産に関連するリターンを得ることができます。REITは不動産を所有し、不動産の賃貸収入や売却益を投資家に還元します。また、REITは市場で取引可能であり、流動性が高いという利点もあります。
⑭ 先物:原油
先物取引は将来の特定の商品や資産の価格変動に基づいて行われる取引です。原油先物は原油の価格変動に連動し、投資家に利益をもたらすことがあります。原油はエネルギー市場の重要な資源であり、供物の需要と供給の変動によって価格が変動しやすいため、投資家にとってはリスクの高い資産クラスとされます。
⑮ 先物:天然ガス
天然ガス先物も原油先物と同様に、将来の天然ガスの価格変動に基づいて取引が行われる資産クラスです。天然ガスはエネルギー資源として幅広い用途に使用されており、需要と供給の変化によって価格が影響を受けます。投資家は天然ガス市場の変動に対してポジションを持つことで、リターンを追求することができます。
⑯ 先物:金
金先物は金の価格変動に連動する先物取引です。金は世界中で広く受け入れられており、インフレや経済の不確実性に対する保険としての需要があります。金の価格は市場の需給バランスや金融市場の変動によって影響を受けます。投資家は金の価格変動を予測し、リスクとリターンを考慮して金先物市場に参加することができます。
⑰ 先物:金属系コモディティ
金属系コモディティ先物には銅、アルミニウム、鉄鉱石などの金属資源が含まれます。これらの先物は工業生産や建設業界の需要によって価格が変動します。金属系コモディティ先物は産業活動の指標として注目されることが多く、投資家は景気や需要動向を分析してリスクとリターンを評価します。
⑱ 先物:食料
食料先物は穀物、肉、砂糖などの農産物に関連する先物取引です。天候や農作物の収穫量などの要素によって価格が変動します。食料先物は食品市場の需要と供給に密接に関連しており、投資家は農業のサイクルや気候変動などを考慮して投資を行います。
⑲ 仮想通貨
仮想通貨はデジタルフォーマットで存在する通貨であり、ブロックチェーン技術を基盤としています。代表的な仮想通貨にはビットコインやイーサリアムなどがあります。仮想通貨は分散型のデジタル通貨であり、中央銀行や政府による管理を受けずに取引されます。仮想通貨の価格は市場の需給や投資家の関心によって大きく変動する特徴があります。投資家は仮想通貨市場の動向を注視し、リスクとリターンを慎重に評価する必要があります。
⑳ NFT
NFT(非代替可能トークン)は、ブロックチェーン技術を使用して一意のデジタル資産を表現するためのトークンです。NFTは個々のデジタルアイテムや作品に付与され、そのオーナーシップや真正性を確保します。NFTはデジタルコレクションやアート市場で注目を集めており、独自のリスクとリターン要素を持っています。
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資産クラス同士の相関性
資産クラス間の相関性は投資ポートフォリオの構築と管理における重要な要素です。 この相関性を理解することで、リスクの分散化と投資リターンの最大化を図ることが可能になります。 今回の記事では、主要な資産クラス間の一般的な相関性について解説していきます。
株式と債券
株式と債券の相関性は、一般的には逆相関といえます。 これは、株式市場が好調なときは債券市場が弱い傾向があり、その逆もまた真であるという事象を指しています。 これは、投資家がリスクを取る意欲が高まると株式への投資を増やし、逆にリスク回避の状況では安全な資産である債券への投資が増えるためです。しかしながらこの相関が完璧なものではない点に関してもご説明します。
株式と商品
株式と商品の相関性は一定ではありませんが、一般的には中程度から強い正の相関が見られます。 これは、経済の好況期には株式市場と商品市場の両方が上昇する傾向があるためです。 特に、原油価格の上昇はエネルギー関連企業の株価にプラスの影響を与えることがあります。
株式と不動産
株式と不動産の相関性は一定ではありませんが、中程度から強い正の相関が見られることがあります。 これは、経済の成長やインフレの増加により、株式市場と不動産市場の両方が好調に推移する傾向があるためです。
債券と不動産
債券と不動産の相関性は比較的弱い傾向があります。 これは、債券の価格は金利と逆相関するため、金利上昇時には債券価格が下落し、逆に不動産市場への投資が増える傾向があるためです。
過去の相関図データ
資産クラスの相関に関しては時代とともに変わっています。新たな資産クラスからの影響や、世界各国の景気や負債、技術革新、金融政策など、様々な要因で相関関係は変わります。前章で述べた代表的な相関関係も変わっていますので、必ず相関が成り立つとは考えず、広く状況を俯瞰的に把握し、ポートフォリオ戦略を逐次練り直すことは非常に重要です。
この下の表はJPMのデータをもとにして作成したエクセルデータです。グレー部分が直近10年の資産クラス同士の相関を表しており、1.0が完全正相関、0が相関無し、-1.0が完全逆相関となります。

下表は上記表の中で相関が高いものに水色、相関の変化が大きいものに緑色を割り当てたものです。注目すべきは日本株式とドル円の相関が大きく弱まっています。ドル円の動きに常に影響を受け続けてきた日本株ですが、現在はドル円との相関から離れ始めています。一方で世界株式、米国株式との相関は変わっていません。
過去は未来を約束するものではないという事がこれでわかると思います。したがって、相関に関しては完全に信じるという事ではなく、マクロ経済データの裏付けを投資家なりに持つようにしていくことをお勧めします。

第1章:ポートフォリオの組み立て
ポートフォリオとは、投資家が保有するさまざまな資産の組み合わせのことを指します。 ポートフォリオの組み立ては、投資目標やリスク許容度に基づいて行われます。 以下では、安定型、標準、積極型の3つのポートフォリオタイプを考え、それぞれのポートフォリオに含めるべき資産クラスの選択と推定リスク・リターンについて説明します。
安定型ポートフォリオ
安定型ポートフォリオは、リスクを最小限に抑えながら安定した収益を追求することを目指します。 このポートフォリオには、現金や国債といった安定的な資産が選ばれます。 現金はリスクがほとんどなく、即座に利用できるため、市場の変動に対して影響を受けにくい特徴があります。 また、国債は政府の信用力に基づいて安定した利息収入を提供するため、安全性が高く安定性のある投資となります。 安定型ポートフォリオの推定されるリスクは比較的低く、リターンも穏やかなものとなるでしょう。
標準ポートフォリオ
標準ポートフォリオは、リスクとリターンのバランスを追求します。 株式や投資信託、社債などの資産クラスが選ばれます。 株式は企業の成長や株価上昇によるリターンを追求できますが、一定のリスクも伴います。 投資信託は複数の資産に投資することでリスクを分散し、幅広い市場の成長に参加できます。 社債は企業や政府からの借り入れ証券であり、一定の利息収入を提供する一方、リスクも存在します。 標準ポートフォリオの推定されるリスクは中程度であり、リターンも安定したものとなるでしょう。
積極型ポートフォリオ
積極型ポートフォリオは、高いリターンを追求するためにリスクを取るスタイルです。 株式や外国株、不動産、コモディティなどの資産クラスが選ばれます。 株式や外国株は市場の変動によるリスクが大きいですが、その分高いリターンを期待できます。 不動産は不動産資産に投資することでキャッシュフローや資産価値の成長を追求できます。 コモディティは、食料や金属といった資源の価格変動に連動するため、リスクとリターンの変動が大きいです。 積極型ポートフォリオは、高いリターンを追求するためにリスクを取るスタイルであるため、リスク許容度の高い投資家に適しています。
ポートフォリオの組み立てにおいて重要なポイントは、自身の投資目標とリスク許容度を明確にすることです。 安定型ポートフォリオはリスクを最小限に抑えた安定した収益を目指し、標準型ポートフォリオはリスクとリターンのバランスを追求し、積極型ポートフォリオは高いリターンを追求するためにリスクを取るスタイルです。 投資家は自身のプロファイルに応じて適切なポートフォリオタイプを選択し、それに基づいて資産クラスを組み合わせることが重要です。
ポートフォリオの構築にあたっては、リスクの分散化も重要な要素です。 複数の資産クラスに投資することで、個々の資産のリスクに対する影響を緩和し、ポートフォリオ全体のリスクを管理することができます。 さらに、定期的なリバランスや市場の変化に合わせた見直しも行うことが推奨されます。
最終的には、ポートフォリオの組み立ては個別の投資家のニーズと目標に基づいて行われるべきです。 投資家は自身のリスク許容度、投資目標、資産クラスの特性を理解し、適切なポートフォリオを構築することで、長期的な資産運用の成功を目指すことができます。
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第2章:資産クラスごとの投資戦略
景気サイクルと各資産クラスの動き
景気サイクルは経済の拡大と収縮を繰り返す一連の変動パターンを指します。 以下では景気サイクルを4つのフェーズに分け、それぞれのフェーズで適した投資戦略を説明します。
景気の底部(リセッション)
景気の底部では経済が停滞し、企業の収益や雇用が低下しています。 このフェーズでは安定型ポートフォリオが適しています。 現金や国債などの安全な資産への投資がリスクを抑えつつ安定した収益を追求する方法となります。この景気の底で大量に高リスク資産(例えば株式など)買い増しを狙う戦略については慎重に考える必要があります。本当の「底」を見つけることで失敗することがほとんどであり、失敗の原因になります。このときに考えてほしいのが積立です。「底」近辺から積立をすることで、必ず底で買うことも可能になります。心理的にも余裕が持てます。
景気の回復(回復期)
景気の回復期では経済活動が徐々に活気を取り戻し、企業の業績が改善してきます。 このフェーズでは標準ポートフォリオまたは積極ポートフォリオが適しています。 株式や投資信託などの成長性のある資産への投資が増え、市場の上昇に伴うリターンを追求することができます。
景気のピーク(成長期)
景気のピークでは経済が最も活発になり、ほとんどの企業収益が過去最高など素晴らしい経済状況を企業同士の相乗効果で作り出しているフェーズです。 このフェーズでは積極型ポートフォリオが適しています。 成長性の高い資産クラスへの投資が重要であり、株式や不動産、コモディティなどへの投資によるリターンを追求します。
景気の後退(後退期)
景気の後退期では経済が減速し、企業の業績が悪化していきます。 このフェーズでは再び安定型ポートフォリオが適しています。 安全な資産への再配置やリスクの軽減が重要となります。 現金や国債への投資によってリスクを抑えつつ、保全性を確保します。
投資家は景気サイクルの変化に合わせてポートフォリオを調整することで、リスクを最小化しつつ収益を最大化することができます。 景気の変動に注意を払いながら、適切なポートフォリオの見直し=リバランスを心がけてください。
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第3章:ポートフォリオのリスク管理
この章は少々技術的な話になります。ポートフォリオのリスク評価に関してご説明します。もし、初心者の方や面倒な方の為、最後にリスク管理を簡単に算出できるツールを提供しているサイトをご紹介いたします。
ポートフォリオリスクの計算
ポートフォリオのリスクは、個々の資産クラスのリスクと相関関係に基づいて計算されます。 以下では、ポートフォリオのリスクを計算する方法について詳しく説明します。
ポートフォリオのリスクは、各資産クラスのリスクとそれらのウェイト(配分比率)を考慮して計算されます。 各資産クラスのリスクは通常、標準偏差やボラティリティなどの指標を使用して測定されます。 ポートフォリオのリスクは、各資産クラスのリスクと相関行列を組み合わせて計算されます。
ポートフォリオのリスク計算式の一つとして、「分散ポートフォリオリスク」があります。 分散ポートフォリオリスクは、各資産クラスのリスク、ウェイト、および相関関係を使用して計算されます。 式は以下のようになります。
ポートフォリオリスク = √(ウェイト1^2 × リスク1^2 + ウェイト2^2 × リスク2^2 + … + 2 × ウェイト1 × ウェイト2 × リスク1 × リスク2 × 相関係数1,2 + …)
上記の式では、各資産クラスのウェイト、リスク、および相関係数が使用されます。 ウェイトは各資産クラスのポートフォリオ内での比率を示し、リスクは各資産クラスの標準偏差やボラティリティを表します。 相関係数は各資産クラス間の関係性を示し、相関係数が高いほどポートフォリオのリスクが高まります。
資産クラス別のリスク要素
各資産クラスのリスク要素を把握することは、ポートフォリオのリスク管理に重要です。 以下では、代表的な資産クラスのリスク要素と過去に発生した最大ドローダウンについて説明します。
代表的な資産クラスのリスク要素
資産クラスは、投資対象となる資産の種類を示し、その主なものには株式、債券、不動産、商品(コモディティ)、現金等があります。 それぞれの資産クラスには特有のリスク要素が存在します。
株式
株式投資には以下のようなリスク要素があります。
- 市場リスク:市場全体が下落すると、株式価格も下落する可能性があります。 経済の景気動向や政策の変更などが影響を及ぼします。
- 業績リスク:特定の企業の業績が悪化すれば、その企業の株価も下落します。
- 流動性リスク:取引量が少ない株式は売りたいときに売れない、または売ることで価格が大きく下落する可能性があります。
債券
債券投資には以下のようなリスク要素があります。
- 信用リスク:発行者が経済的に困難になり、利息または元本を支払えなくなるリスク。
- 金利リスク:金利が上昇すると、既存の債券の価格が下落する可能性があります。
- インフレリスク:インフレ率が債券の利率を上回ると、実質的なリターンが減少します。
不動産
不動産投資には以下のようなリスク要素があります。
- 価格変動リスク:不動産市場の需給バランスや経済状況により、不動産価格が変動します。
- 流動性リスク:不動産は売却するまでに時間がかかり、急な現金化が困難な場合があります。
- メンテナンスコスト:不動産の維持管理にはコストがかかります。
商品(コモディティ)
商品投資には以下のようなリスク要素があります。
- 価格変動リスク:需給バランス、生産量、消費量、政策、天候などにより、商品価格は大きく変動します。
- 通貨リスク:商品価格は多くの場合ドル建てで取引されるため、通貨の価値変動が影響を及ぼします。
現金等
現金や現金同等物はリスクが最も低いとされていますが、以下のようなリスク要素があります。
これらのリスク要素を理解し、自分自身の投資目標やリスク許容度に合った資産クラスを選択することが、賢明な投資戦略を立てる上で重要です。 また、これらのリスク要素は相互に関連し合っており、一つの要素が他の要素に影響を及ぼします。
過去に発生した最大ドローダウン
株式
2008年の金融危機時には、多くの国の株式市場が大きな打撃を受けました。 特に、米国のS&P 500指数は、ピークから約57%下落しました。 これは、サブプライムローン問題とそれに続く金融システムの危機が主な要因でした。
債券
金利が急上昇した1981年には、長期債券の価格は大幅に下落しました。 これは、当時の高インフレとそれに対する金融政策の変更が引き金となりました。
不動産
不動産市場も2008年の金融危機で大きな打撃を受けました。 特に、米国の住宅市場は、住宅価格が大幅に下落しました。 これは、サブプライムローン問題と金融システムの危機が主な要因でした。
商品(コモディティ)
商品価格は、経済活動の停滞や需給バランスの変動により大きな変動を見せることがあります。 例えば、1970年代のオイルショック時には、原油価格が大幅に上昇しました。 また、2008年の金融危機時には、商品価格全般が大幅に下落しました。
ポートフォリオリスクの算出ツールのご紹介
「myINDEX資産配分ツール」は、ポートフォリオ別のバックテストができるツールです。日本語対応で非常に有名ですので、すでに使われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?myINDEX資産配分ツールでは下記の内容を調べることができます。
- リスクとリターン
- 資産価値の変動推移
- 期間別リターン表
各証券会社でもこのようなツールを提供しています。
「投信ポートフォリオ診断」はマネックス証券が提供するツールです。
「ポートフォリオを自動シミュレーション」はフィデリティ証券が提供するツールです。
「長期投資予想/アセットアロケーション分析」は投資信託のガイドファンドの海のブロガーさんが提供しているツールです。
様々なツールがありますので、ご自身のポートフォリオのリスク、リターンを確認し定期的なリバランスを行うことをお勧めします。
結論:資産クラスを組み合わせることによる効果的な投資と資産運用
資産クラスを適切に組み合わせたポートフォリオは、効果的な投資と資産運用の基本となります。 以下では、その重要性や持続可能な投資戦略の維持方法、最終的なリスク管理と成功への道筋について説明します。
資産クラスを適切に組み合わせたポートフォリオの構築は、投資家の目標やリスク許容度に合わせて行われます。 異なる資産クラスを組み合わせることにより、リスクを分散し、リターンを最大化することが可能となります。 例えば、安定型の資産クラスを組み合わせたポートフォリオは安定した収益を追求し、積極型の資産クラスを組み合わせたポートフォリオは高いリターンを追求することができます。
持続可能な投資戦略を維持するためには、投資家は市場の変動やトレンドを常にモニタリングし、適切なタイミングでポートフォリオの再評価やリバランスを行う必要があります。 また、投資家は自身の投資目標や倫理的な観点を考慮しながら、環境・社会・ガバナンス(ESG)の要素を取り入れた企業への投資を検討することも今後重要になるでしょう。特に倫理観、環境問題、差別等への取り組みに積極的ではない企業は、これからのハイスピード情報社会の中ではリスクを伴う点は見逃せないかもしれません。
最終的なリスク管理と成功への道筋は、ポートフォリオの分散とリスク評価にあります。 ポートフォリオの分散は、異なる資産クラスや市場への投資を通じてリスクを分散することを意味します。 リスク評価では、ポートフォリオのリスクを適切に把握し、リスク管理の手法を適用します。 個人では難しいので、アプリやサイトなどを活用してご自身のポートフォリオのリスク評価を年に1度程度は行うことを推奨いたします。
投資家はリスクとリターンのトレードオフを理解し、自身の投資目標に合わせたポートフォリオを構築することで、効果的な投資と資産運用を実現できます。 また、継続して、長期的な視野での投資戦略を持つことが重要です。 市場の変動やリスクは避けられませんが、ポートフォリオのバランスを保ちながら、持続可能な成長を追求することが成功への道筋となります。
最後に、リスク管理と成功への道筋を確立するために、定期的なポートフォリオのモニタリングと評価が必要です。 市場環境や投資目標の変化に応じてポートフォリオを調整し、リスクを最小限に抑えながら収益を最大化する努力を続けることが重要です。
資産クラス解析とポートフォリオの組み立ては、投資家にとって重要なスキルとなります。 正しい知識と情報をもとに、リスクとリターンのバランスを考慮しながらポートフォリオを構築し、資産運用を成功させましょう。
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