景気循環とは?株式投資で賢く勝つためには?

景気循環
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株式投資の基本的な知識として景気循環を知っているかいないかで大きく結果が異なります。積極的な攻めの投資をすべき場面、守りの投資をすべき場面、様々な場面があります。

この記事では景気循環を理解して、株式投資にどう向き合うべきか、今役立つ情報をお届けいたします。

POINTこの記事から学べる事:景気循環を知り味方につける

景気循環とは?

景気循環という言葉はみなさん聞いたことがあると思います。景気が悪い、景気がいいという言葉も日常的に使われます。経済、金融の世界での景気循環とはどのようなものでしょうか?

景気循環の代表的な4つのフェーズ

景気循環には代表的な4つのフェーズがあると言われています。このサイクルの流れと特徴を理解することでマクロ経済を捉えやすくなります。

このサイクルは、経済の需給バランスや他の経済要因によって引き起こされます。ただし毎回このサイクルが繰り返されるわけではない点には注意が必要です。

それではその代表的な4つのフェーズについて説明します。

好況期(Expansion/Boom)

好況期は経済の成長期であり、景気が活発化している時期です。経済活動が拡大し、企業の生産と雇用が増加します。需要が高まり、所得と利益が増加することで、消費や投資が増えます。このフェーズでは、景気拡大や株価上昇などの経済指標が良好な状態になることが一般的です。

不況期(Recession/Contraction)

不況期は景気の減退期であり、景気が低迷している時期です。経済活動が縮小し、企業の生産と雇用が減少します。需要が低下し、所得と利益が減少することで、消費や投資が減少します。不況期では、景気後退や失業率上昇などの経済指標が悪化する傾向があります。

底打ち期(Trough/Bottoming out)

底打ち期は不況期の終わりを示す時期であり、景気の低点に達する時期です。経済の減退が一時的に停止し、景気の下降が緩やかになる傾向があります。このフェーズでは、経済指標が底を打ち、企業や消費者の信頼が回復し始めます。

回復期(Recovery/Expansion)

回復期は不況期からの復興期であり、景気が持ち直して成長に転じる時期です。経済活動が再び拡大し、企業の生産と雇用が回復します。需要が復活し、所得と利益が増加することで、消費や投資が回復します。回復期では、景気回復や雇用改善などの経済指標が改善する傾向があります

POINTこの記事から学べる事:4つのフェーズの境目は相場展開が難しい。休むも相場

4つのフェーズの境目はあらゆる資産クラスが不安定になります。ここで頻繁に取引をして退場される方を多く見ます。価格の上昇下降に惑わされ、結果としてたびたび損を出すことで、精神的に「自分は向いてない」「もう嫌だ」となるパターンです。こういう時期は機関投資家ですら結果を出すのが難しい時期です。また意地になるのも良くありません。大きな損失を抱える可能性があるからです。

一般投資家は「休むも相場」の格言通り頻繁な売買を控えることをおすすめします。

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米国における景気循環の歴史

米国は長い歴史の中でたびたびこの景気サイクルが起こっています。循環の間隔や長さは、経済の特定の時期や地域によって異なります。一部の景気循環は数年程度で完了する場合もありますが、数十年以上にわたることもあります。景気循環は経済の自然な特徴であり、経済政策や市場の動向によっても影響を受けます。米国経済の歴史を紐解いて、過去から学びを得ましょう。

1950年代の景気循環

第二次世界大戦後の1950年代には、米国は戦後復興期に入りました。この時期は好況期であり、工業生産が拡大し、雇用が増加しました。しかし、1957年には不況期が訪れ、一時的な景気後退が起こりました。その後、底打ち期を経て経済が回復し、1960年代には新たな好況期が始まりました。

1970年代の景気循環

1970年代は米国にとって経済的に複雑な時期でした。石油価格の急騰インフレーションの上昇など、さまざまな要因が経済に影響を与えました。この時期には好況期と不況期が交互に訪れ、経済の拡大と収縮が続きました。

1990年代の景気循環

1990年代初頭には不況期があり、1991年には短い不況が起こりました。しかし、その後は経済が回復し、新たな好況期が訪れました。この時期には情報技術の発展やインターネットの普及が経済成長の要因となり、ドットコム・バブルと呼ばれる一時的な景気過熱が起こりました。しかし、2000年にはバブルが崩壊し、景気後退が訪れました。

2008年の景気循環(グローバル金融危機)

2008年には世界的な金融危機が起こり、不況期が訪れました。不動産市場の崩壊や金融機関の破綻などが起き、米国を中心に世界経済に深刻な影響を及ぼしました。これにより米国は底打ち期を経て回復を図りましたが、回復は時間を要しました。

景気循環に見られる3つのパターン

景気循環には4つのフェーズがサイクルする時と、不景気がなかなか戻らない時、長期的な好景気が続く場合の3パターンがあると個人的に考えています。あくまでこれは私の私見です。

もちろん様々な要因によりこれらの現象が起こります。例えばコロナ不況は非常に短く深い不況でありましたが、非常に短期間で不況を脱しました。これは政府、中央銀行による金融環境の強力な緩和が原因です。政府の多額の財政出動と、中央銀行によるマネーサプライの増大と超低金利対策で米国は大きく金融環境が緩和され、コロナ禍以前よりも国民、企業は大きなお金を手にすることとなりました。

一方でコロナ禍以降の米国はこの反動で急激に労働市場が緩み低失業率、給与の上昇で、あらゆるものとサービスの価格が上昇、結果高インフレに見舞われ今米国はリセッションの瀬戸際にいます

話がそれましたが、それでは米国の景気循環の3つのパターンの歴史を紐解いてみましょう。

サイクルする景気循環(Cyclical Economic Cycles)

このパターンでは、景気循環が4つのフェーズ(好況期、不況期、底打ち期、回復期)を繰り返す様子が見られます。

例1: 1950年代 – 1960年代

  • 好況期: 1950年代初頭から中盤にかけての経済成長(1950年代経済繁栄)
  • 不況期: 1957年の景気後退(1957年不況)
  • 底打ち期: 1958年の景気の底
  • 回復期: 1960年代に入り、持続的な経済成長(1960年代の好景気)

例2: 1980年代 – 1990年代

  • 好況期: 1980年代の経済成長(レーガノミクスによる好況)
  • 不況期: 1990年 – 1991年の不況(1990年代初頭の景気後退)
  • 底打ち期: 1991年の景気の底
  • 回復期: 1990年代後半の経済成長(1990年代の好景気)

不況からの回復が遅い長期の景気低迷(Protracted Economic Slumps):

一部の場合、不況からの回復が遅く、景気低迷が長期化することがあります。

例: 1930年代 – 1940年代(大恐慌)

  • 不況期: 1929年のウォール街大暴落による不況(大恐慌)
  • 底打ち期: 1930年代から1940年代初頭にかけて経済が底を打つ
  • 回復期: 第二次世界大戦勃発による戦争経済の刺激で回復(戦後復興)

長期的な好景気(Prolonged Economic Booms):

一部の場合、景気が長期間にわたって拡大し、好景気が続くことがあります。

例: 1990年代 – 2000年代(ドットコム・バブル)

  • 好況期: 1990年代の経済成長(IT産業のブーム)
  • 不況期: 2000年のドットコム・バブル崩壊による不況(ドットコム・バブル崩壊)
  • 底打ち期: 2001年に底を打つ(ドットコム・バブル崩壊後の景気底)
  • 回復期: 2000年代前半から中盤にかけての経済成長(不動産市場の拡大や金融刺激策による景気回復)

例: 2010年代 – 現在(長期的な経済拡大)

  • 好況期: 2010年代から現在までの経済成長(経済刺激策や金融緩和による持続的な好景気)
  • 不況期: COVID-19パンデミックによる2020年の経済衰退(COVID-19不況)
  • 底打ち期: 2020年の景気の底
  • 回復期: 現在の経済回復に向けた取り組み(経済刺激策やワクチン接種による経済回復期)

それではこれらの3パターンのような違いがはなぜ起こるのでしょうか?一概に要因を絞ることは難しいところですが、代表的な要因として下記を考えています。

サイクルする景気循環の要因

  • 需要と供給の変動: 景気循環は、経済全体の需給バランスの変動によって引き起こされます。好況期では需要が高まり、企業の生産活動と雇用が増加しますが、それによって需給バランスが崩れると不況期に突入します。
  • 金融政策と財政政策: 中央銀行や政府は金融政策や財政政策を通じて景気を調整しようとします。金融政策の利下げや財政出動などは景気拡大を促し、逆に金融政策の利上げや財政引き締めは景気減退を引き起こす可能性があります。

不景気がなかなか戻らない要因

  • 需要不振: 消費や投資の低迷、信頼の失墜などによって需給バランスが回復せず、景気が停滞することがあります。これにより、不況期が長期化し、景気がなかなか回復しない状態が続くことがあります。
  • 構造的な変化: 産業構造の変化や技術革新、国際競争力の低下など、経済の構造的な要因が景気回復を妨げる場合があります。

長期的な好景気の要因

  • 好ましい経済政策: 安定した金融政策、適切な財政政策、投資を促進する政策など、経済をサポートする政策環境がある場合、長期的な好景気が続くことがあります。
  • 産業の成長と革新: 成長産業や技術革新によって新たな需要や投資機会が生まれ、経済が持続的な成長を遂げることがあります。

景気循環や経済の動向は非常に複雑で多くの要素に影響を受けるため、単一の要因だけで説明することは難しいです。景気循環は経済の動向を予測するのも困難であり、多くの要素が相互に作用する結果として現れるものです。

また、景気循環のパターンや長期的な好景気の継続は、経済の特定の時期や地域によって異なる場合があります。経済の状況、政策、国際情勢、技術革新などの要素が絡み合い、景気循環や経済の動向を形成しています。

経済学者や政策立案者は、これらの要因を分析し、景気循環の予測や対策を試みていますが、経済の複雑性ゆえに正確な予測が難しいとされています。当然ながら私のような素人が先を読むことは非常に難しいです。一方で何も知らなければ全くの逆方向へ舵を切る可能性もあります。

どんなマクロ経済指標を見ればいいの?

本当に代表的なマクロ経済指標として下記の5つに重点を置いて、4つの景気循環フェーズを判断していくと良いと思います。もちろんマクロ経済指標はこれだけではありません。

GDP(国内総生産)

GDPは経済全体の生産活動を測定する指標です。GDPの成長率を見ることで、経済が拡大しているか縮小しているかを把握することができます。プラスの成長率は好景気を示し、マイナスの成長率は景気後退を示す可能性があります。各企業のEPS成長率を見ることと同様の意味合いと考えていいと思います。

雇用指標

雇用指標は労働市場の状況を示す本当に重要な要素です。失業率や非農業部門雇用者数などの指標を見ることで、雇用の増減や労働市場の健全性を把握することができます。低い失業率や増加する雇用者数は好景気の兆候となります。

消費支出

消費支出は個人や家庭の消費活動を表す指標であり、経済成長の重要な要素です。個人消費支出の増加は景気拡大の兆候とされます。小売売上高や消費者信頼感指数などの指標を監視することで、消費動向を把握できます。

投資活動

投資は企業や個人が資本財への支出を行う活動です。設備投資や住宅投資などの指標を見ることで、企業や個人の投資活動の健全性を把握できます。投資の増加は景気拡大のサインとなる場合があります。分かりやすいのは住宅価格の推移です。

金利

金利は金融政策の重要な要素であり、経済活動に大きな影響を与えます。中央銀行の政策金利や長期金利の動向を見ることで、金融環境や借入・投資の活動性を把握できます。唯一金利はコントロールされた指標といえます。つまり中央銀行が考える経済状況を知る手掛かりです。景気とインフレに関してはかなり長い話になるためここでは割愛しますが、大事なのは低いインフレは景気を押し上げます。一方で高いインフレは景気を押し下げるという事実です。

最後に

現在の状況は1970年代に少し近い感じを受けます。1960年代前半に長安定期を迎えた米国は、素晴らしい時代を謳歌し、60年代後半から徐々にインフレが上昇してきます。70年代は労働生産性の低下と賃金上昇、インフレ、失業率の上昇が起こり、不況へ突入していきます。全く現在(執筆:2023年5月12日時点)と同じとは言いませんが、近しい状況を感じさせます。

こういった状況の中で、少なくとも投資家の皆様には大きな流れを把握し、ポジションを調整できるように情報・知識のご提供を今後ともしていきたいと考えています。

そして好景気には自信を持って買い向かえる知識を身につけて頂ければ嬉しいです。いざ好景気に入っても、「また不況が来るかも」と買い向かえない状況に陥らないように❣️

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