FOMC議事録や雇用統計で金融政策の行方を探る!半導体関連株や銀行株、ワクチン株に注目!

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はじめに

今回は、7月上旬の米国株式市場で注目すべきイベントや銘柄についてお伝えします。来週の米国株式市場は、下半期、新四半期入りで新たな資金が流入することや、金融セクターの株主還元策が相場を支えることが期待されています。しかし、規制強化や追加利上げの可能性は相場の上値を抑える要因となりそうです。

FOMC議事録や雇用統計などの重要な経済指標も発表されます。これらの指標は、金融政策や景気回復の見通しに影響を与える可能性があります。また、半導体関連株や銀行株、ワクチン株などの注目セクターの決算発表もあります。これらの決算は、業績や需給状況、株主還元策などに関する情報を提供します。

7月も忙しそう~それでは始めましょう!

FOMC議事録で金融政策の見通しをチェック

2023年6月は13日~14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。 6月のFOMCでは、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利水準の据え置きを全会一致で決定しました。 会合後の記者会見でパウエル議長は、利上げ見送りの理由として「金融政策が経済に波及するまでのタイムラグが不透明であること」と「信用引き締めによる経済への逆風」を挙げました。

パウエルFRB議長は最近の発言でタカ派色を強めており、インフレが目標値に達するまで金融引き締めを続けるとの姿勢を示しています。利上げに関しても追加の2回の利上げと、年内の利下げがないことを明言しました。雇用統計が予想通りになれば、7月の利上げ再開観測が高まる可能性があります。その場合、株式市場にはネガティブな影響を与えるかもしれません。したがって、FOMC議事録では、委員たちがインフレ圧力をどう見ているか、テーパリングや利上げの条件や時期についてどう考えているかなどしっかり確認したいと思います。

FOMCメンバーが今の米国経済状況をどのように考えているのか、FOMC議事要旨は要注目です!
特に金融システムに関する発言があるのか、個人的にとても興味があります。

雇用統計で景気回復のペースや賃金動向を確認

米国株式市場は、6月の雇用統計やFOMC議事録などの重要な経済指標に注目しています。雇用統計は、米国経済の回復ペースやインフレ圧力の高まりを示す指標であり、FOMC議事録は、FRBの金融政策の見通しや利上げのタイミングに関する手がかりを提供するものです。これらの指標が市場予想を上回れば、株価は上昇する可能性がありますが、下回れば、株価は下落するリスクがあります。

一方で最近の株価は金利と同時に、雇用統計の結果を景気指標としてとらえている節もあり、雇用統計が市場予想を上回れば株価が下落する可能性もあり、投資家にとっては非常に難しい判断となります。

6月の雇用統計は、7月7日(米国時間)に発表されます。市場予想では、非農業部門雇用者数は前月比37万2,000人増加し、失業率は3.6%となると見られています。しかし、5月分の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比3万4,000人増加にとどまっており、市場予想を大きく下回りました。そのため、6月分の雇用統計が予想より弱い結果となる可能性も若干あり得ると考えています。一方で、新規失業保険申請件数は減少傾向にあり、労働市場の改善が続いていることを示唆していますので、需要が拡大し、雇用が増加する可能性もあります。

とっても難しい相場状況です。指数発表への最近の株価の反応は、FOMCの利上げだけを意識したものではなくなっています。指数発表後に、飛びつきで売買するのはお勧めできません。

半導体関連株は決算発表で業績や需給状況に注目

半導体関連株は、今週と来週の相場の注目株です。半導体不足の影響や中国との貿易摩擦などにより、半導体産業は大きな変化に直面しています。来週は、エヌビディア <NVDA> 、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ <AMD> 、オンセミコンダクター <ON> などの大手半導体企業が決算を発表します。これらの決算では、業績や需給状況に関する情報が提供されます。

AIブームで上がってきた株価。ついに半導体関連銘柄の決算発表があります。値動きが上下に激しくなってきて来ていますので、決算は必然的に注目を集めます。

エヌビディア <NVDA> は7月11日に第2四半期決算を発表します。エヌビディアは、グラフィックスプロセッサ(GPU)や人工知能(AI)チップなどを開発・販売する企業です。ゲームやクラウドコンピューティング、自動運転などの分野で高い需要があります。市場予想では、売上高は前年同期比83%増の64億ドル、純利益は同期比99%増の22億ドルとなるというものです。エヌビディアは、半導体不足にもかかわらず、高い成長率を維持しています。しかし、同社は、英国の半導体設計会社アームの買収計画について、規制当局からの承認を得ることができるかどうかに不透明感があります。この買収計画は、エヌビディアの事業拡大にとって重要なものです。

アドバンスド・マイクロ・デバイシズ <AMD> は7月12日に第2四半期決算を発表します。AMDは、CPUやGPUなどを開発・販売する企業です。パソコンやサーバー、ゲーム機などの分野で高いシェアを持っています。市場予想では、売上高は前年同期比86%増の38億ドル、純利益は同期比250%増の9億ドルとなるというものです。AMDは、競合するインテル <INTC> よりも先進的な技術力や製品力を持っており、市場での評価が高まっています。しかし、同社も半導体不足による供給不足に悩まされており、需要を十分に満たすことができるかどうかが課題です。

オンセミコンダクター <ON> は7月13日に第2四半期決算を発表します。オンセミコンダクターは、パワー管理やセンシングなどの半導体製品を開発・販売する企業です。自動車や産業機器などの分野で高い需要があります。市場予想では、売上高は前年同期比42%増の16億ドル、純利益は赤字から黒字に転換して1億ドルとなるというものです。オンセミコンダクターは、半導体不足の中でも自動車向けの製品の供給を優先しており、収益性の改善につながっています。しかし、同社は、新型コロナウイルスの感染拡大による生産停止や物流遅延などのリスクにも直面しています。

以上が半導体関連株の決算発表に関する情報です。半導体関連株は、業績や需給状況に応じて大きく値動きする可能性があります。決算発表後の市場の反応にも注目しましょう。

バンク・オブ・アメリカは増配や自社株買いで株主還元を強化か

米国最大の銀行グループであるバンク・オブ・アメリカ <BAC> は、7月14日に第2四半期決算を発表します。バンク・オブ・アメリカは、預金や貸出、投資銀行、資産運用などの幅広い金融サービスを提供する企業です。市場予想では、売上高は前年同期比1%減の21.8億ドル、純利益は同期比78%増の6.3億ドルとなるというものです。バンク・オブ・アメリカは、低金利やコロナ禍による収益圧迫にもかかわらず、コスト削減やリスク管理などで収益性を維持しています。

特に注目されるのは、株主還元策です。バンク・オブ・アメリカは、先日行われたFRB(米連邦準備制度理事会)のストレステストに合格しました。ストレステストとは、金融危機などの極端な状況下で銀行が十分な資本を保有しているかどうかを試験するものです。合格すれば、銀行は増配や自社株買いなどの株主還元策を実施することができます。市場では、バンク・オブ・アメリカが増配や自社株買いを発表する可能性が高いという見方があります。これらの措置は、株価にプラス要因となります。

したがって、バンク・オブ・アメリカの決算発表では、業績だけでなく、株主還元策に関する発表にも注目する必要があります。バンク・オブ・アメリカは、米国銀行セクターの代表格としても重要です。同社の決算発表後の市場の反応にも注目しましょう。

大手銀行は、資産増強で安定しストレステストもクリア。ただ、ストレステストを実施したのはほんの一握りの銀行です。問題を抱える中小銀行は今回のストレステストの対象になっていないことに注意を払う必要があります。

モデルナはワクチンの販売状況や新型変異株への対応で評価されるか

新型コロナウイルスワクチンの開発・供給で注目されているバイオテクノロジー企業モデルナ <MRNA> は、7月8日に第2四半期決算を発表します。モデルナは、mRNA(メッセンジャーRNA)技術を用いたワクチンや治療薬を開発する企業です。新型コロナウイルスワクチンは、同社の主力製品となっています。市場予想では、売上高は前年同期比2,700%増の60億ドル、純利益は同期比3,000%増の25億ドルとなるというものです。モデルナは、世界各国からワクチンの受注を獲得し、高い収益性を示しています。

特に注目されるのは、新型変異株への対応です。最近では、デルタ株やラムダ株などの新型変異株が感染拡大しており、既存のワクチンの有効性に疑問が投げかけられています。モデルナは、自社のワクチンが新型変異株に対しても高い保護効果を持つと主張しています。しかし、市場では、その根拠やデータに関する詳細な情報が求められています。また、モデルナは、新型変異株に対応したブースターショット(追加接種)やコンビネーションショット(混合接種)などの開発も進めています。これらの製品の開発状況や承認見通しに関する情報も重要です。

したがって、モデルナの決算発表では、業績だけでなく、新型変異株への対応に関する発表にも注目する必要があります。モデルナは、新型コロナウイルスワクチン市場でリーディングカンパニーとしても重要です。同社の決算発表後の市場の反応にも注目しましょう。

日本でもコロナの流行が再び起こっています。本当にインフルエンザレベルまで影響度が下がっていくのか、今後も注目です。また、今後の飲み薬開発と許可によるワクチンへの影響もワクチンメーカーを見るうえでは重要ですね。

まとめ

今回は、今週来週の米国株式市場で注目すべきイベントや銘柄についてお伝えしました。7月前半は、FOMC議事録や雇用統計などの重要な経済指標が発表されます。これらの指標は、金融政策や景気回復の見通しに影響を与えるでしょう。また、半導体関連株や銀行株、ワクチン株などの注目セクターの決算発表もあります。これらの決算は、業績や需給状況、株主還元策などに関する情報を提供します。

7月の米国株式市場は、これらのイベントや銘柄に応じて大きく値動きする可能性が高いと考えています。市場の動向や情報に敏感に反応しましょう。

7月もよろしくお願いします☺

外部参照記事:米国株式市場見通し:雇用統計やFOMC議事録に注目 | 市況 – 株探ニュース (kabutan.jp)

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